『地球に暮らすぼくたちへ』(作 中川ひろたか/アリス館)

 

新刊のお知らせです。

中川ひろたかさん作の『地球に暮らすぼくたちへ』が今月下旬にアリス館さんより発売されます。

だれもが平等に持つ権利について今いちど考えて、感じてみて欲しいという中川さんの思いに深く共感し、突き動かされるように夢中で描きました。手に取っていただけたら嬉しいです。

本文のなかの、中川さんの言葉。

みんな赤ちゃんでした。

ぼくたちは、等しく生まれました。

この世に生を受けたぼくたちは

みんな等しく、生きていい。

このたび絵を担当させていただくにあたり、様々な思いがありました。

日本では誰もが自分らしく生きていけるよう、一人一人の権利が尊重され、少しづつ良い方向に変わってきている部分もあるように思います(もちろん、まだまだ課題は山積していますが)。

他方で世界に目を向ければ、家族と引き裂かれ、住む場所を追われ、食べることや安心して眠ることもままならず、常に危険にさらされて、生きる権利さえも奪われている人々がいます。多くの人がそうであるように、私も、2022年2月にウクライナとロシアの戦争が始まってからずっと、悲しみや憤り、歯痒さ、もどかしさ、無力感に苛まれてきました。

そんななか、1年程前に編集者さんから『地球に暮らすぼくたちへ』の絵のご依頼をいただきました。「これ以上悲しい思いをする人が増えませんように、戦争が終わりますように」と祈りを込めて描いていましたが、原画の制作中にイスラエルによるパレスチナへの攻撃が始まってしまいました。

私の祖父母は戦争を体験した世代で、幼い頃から「戦争は絶対にしちゃいけない」と、その恐ろしさを繰り返し聞かされて育ち、自分が大人になるときには世界から戦争はなくなっているだろうと希望を抱いていました。けれども実際には、今も各地で戦争が起き、多くの人が犠牲になっています。悲しいことに、これが2024年の現実です。

 

自分の権利も、他人の権利も大切に、どうか地球に暮らすみんなの未来が、平和でありますように。

そういう未来を作っていかなければ。

アリス館さんがPR動画を作ってくださりました。