個展「日日 nichi nichi 」@ゑいじう

久しぶりに曙橋のゑいじうさんで個展をさせていただくことになりました。

11月29日(金)〜12月5日(木)の期間です。

 

今年の夏に刊行になった中川ひろたかさんとの絵本『地球に暮らすぼくたちへ』(アリス館)の原画と、描き下ろしのドローイングを展示します。

 

展示タイトル「日日 nichi nichi」は、誰もに暮らしがあるということを忘れずにいたいという気持ちを込めました。

自分自身の暮らしのなかの何気ない瞬間を描きながら、どこかに暮らす誰かの日日に思いを馳せています。

忙しさにかまけて、つい自分の身の回りのことしか見えなくなってしまいがちですが、たとえば一杯のコーヒーを飲むとき、世界のどこかしこで同じようにコーヒーを味わっている人がいるのだろうと想像することがあります。

自分と誰かが別の場所で、似たようなひとときを過ごしているということを考えるんです。

美味しいものを飲んだり食べたり、愛する人がいて、他愛もないおしゃべりをして笑い合ったり、大切な生き物を愛でたり、幼い子の健やかな成長を願ったり、将来に夢や希望を抱いたり、そんなふうに平穏に暮らしたいと願っているということを。

けれど、それがかなわない、そういったささやかな自由さえ奪われている人がいるということに、どうしようもない無力感と憤りを感じるし、こうして恵まれた生活をしていることが心苦しくもなります。

 

絵本『地球に暮らすぼくたちへ』は、自由と平和について、中川さんらしい親しみと優しさに溢れた言葉で語りかけるように綴られています。私はそれを受けて試行錯誤を重ねながらものびのびと絵を描かせていただきました。絵本原画は、本文のテキストのキャプションつきで全ページを展示します。

 

ドローイングは、パレスチナとのフェアトレードをおこなう架け箸」さんにご協力いただき、パレスチナで作られた手漉き紙に描いています。

花弁が混じったものもあったりと、手作りの温もり、現地の空気やそこに暮らす人々の営みが感じられます。ぜひ実際にご覧ください。

 

松田奈那子 個展「日日 nichi nichi 」

会期:2024年11月29日(金)〜12月5日(木)

時間:11時〜19時(最終日は17時まで)

場所:ゑいじう  〒160-0007 東京都新宿区荒木町22-38

 

 

*作品の売り上げの一部は「パレスチナ子どものキャンペーン」「地球のステージ」「日本赤十字社」に寄付いたします。

 

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『地球に暮らすぼくたちへ』(作 中川ひろたか/アリス館)

 

新刊のお知らせです。

中川ひろたかさん作の『地球に暮らすぼくたちへ』が今月下旬にアリス館さんより発売されます。

だれもが平等に持つ権利について今いちど考えて、感じてみて欲しいという中川さんの思いに深く共感し、突き動かされるように夢中で描きました。手に取っていただけたら嬉しいです。

本文のなかの、中川さんの言葉。

みんな赤ちゃんでした。

ぼくたちは、等しく生まれました。

この世に生を受けたぼくたちは

みんな等しく、生きていい。

このたび絵を担当させていただくにあたり、様々な思いがありました。

日本では誰もが自分らしく生きていけるよう、一人一人の権利が尊重され、少しづつ良い方向に変わってきている部分もあるように思います(もちろん、まだまだ課題は山積していますが)。

他方で世界に目を向ければ、家族と引き裂かれ、住む場所を追われ、食べることや安心して眠ることもままならず、常に危険にさらされて、生きる権利さえも奪われている人々がいます。多くの人がそうであるように、私も、2022年2月にウクライナとロシアの戦争が始まってからずっと、悲しみや憤り、歯痒さ、もどかしさ、無力感に苛まれてきました。

そんななか、1年程前に編集者さんから『地球に暮らすぼくたちへ』の絵のご依頼をいただきました。「これ以上悲しい思いをする人が増えませんように、戦争が終わりますように」と祈りを込めて描いていましたが、原画の制作中にイスラエルによるパレスチナへの攻撃が始まってしまいました。

私の祖父母は戦争を体験した世代で、幼い頃から「戦争は絶対にしちゃいけない」と、その恐ろしさを繰り返し聞かされて育ち、自分が大人になるときには世界から戦争はなくなっているだろうと希望を抱いていました。けれども実際には、今も各地で戦争が起き、多くの人が犠牲になっています。悲しいことに、これが2024年の現実です。

 

自分の権利も、他人の権利も大切に、どうか地球に暮らすみんなの未来が、平和でありますように。

そういう未来を作っていかなければ。

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Exhibition by Nanako Matsuda × Sano Bouzerda Maria「Bessaha ou raha ! 」@OGU MAG

 

 

3月28日(木)〜4月7日(日)にOGU MAGにて展示「Bessaha ou raha ! 」を開催します。

モロッコを舞台にした絵本『どうぞめしあがれ!』(原案 佐野・ブーゼルダ・マリア 文と絵 松田奈那子/ほるぷ出版)の原画を展示。松田のタブロー作品を展示販売します。(現在制作中!)

 

Exhibition by Nanako Matsuda × Sano Bouzerda Maria

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Bessaha ou raha !    بالصحة والراحة 

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OPEN : 木ー日曜日(月、火、水は休み)

13時ー19時(最終日は18時まで)

 

タイトルの「Bessaha ou raha ! | بالصحة والراحة (ビサハウラハ)」は、アラビア語モロッコ方言で「どうぞめしあがれ!」という意味ですが、対象は食べ物に限らず「楽しんでね!」といったニュアンスもあります。

 

OGU MAGさんでは一昨年の春先にはアニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』の劇中画の原画展示「ジョゼが描いた世界展」をさせていただき、昨年の11月にはモロッコで起きた地震の復興支援チャリティーマルシェでもお世話になりました。

 

今回も会期中の日曜日3月31日、4月7日の13時ー18時にはモロッコ雑貨のチャリティーマルシェを開催します。

先日マリアがモロッコで素敵な雑貨をたくさん選んできてくれましたので、どうぞお楽しみに!

 

OGU MAGさんのサイトの展示関連ページは▷こちら

 

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射水市大島絵本館での原画展について

 

 

2月3日(土)〜3月28日(木)に富山県の射水市大島絵本館さんにて

『どたんばたん おるすばん』(あかね書房)と、

デビュー作の『ちょうちょ』(文・江國香織/白泉社)の原画を展示していただきます。

絵本の原画だけでなく、制作にまつわるあれこれも。

 

 

カフェでは会期中期間限定のメニューをご用意してくださっていたり、

会場では色々と参加型の楽しい企画を準備してくださっていますので、お近くの方はぜひ!

 

会期が2ヶ月近くもあるので、私もどこかのタイミングで行けたらいいな〜と思っています。

 

 

キンダーおはなしえほん『タツノオトシゴとうさん、あかちゃんをうむ』(作 越智典子)の絵を担当しました!

 

 

 

フレーベル館さんの月刊絵本「キンダーおはなしえほん」2024年1月号の絵を担当しました。

辰年にピッタリのタツノオトシゴが主人公の絵本です。

『タツノオトシゴとうさん、あかちゃんをうむ』

お話は科学絵本を多く手掛けられている越智典子さん作。

生物の多様性や生命誕生の喜びが描かれています。

今回絵を描かせていただくなかで海で暮らす生き物たちについて初めて知ることがたくさんありました!

本当に世界は不思議に満ちていますね。

 

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また個人的には妊娠中〜産後にかけて描いたので、

タツノオトシゴとうさんや卵をまもる他の魚たちに共感するところもあったり、

とても思い出深い一冊になりました。

 

 

個展「猫と暮らす」@ひるねこBOOKS

本の虫と暮らす猫
本の虫と暮らす猫

 年明けに、ひるねこBOOKSさんで個展をさせていただくことになりました。

 

2024年の1月11日で、ひるねこBOOKSさんは8周年を迎えられます。

そんな記念すべき日が展示の初日!

思えば初めてひるねこBOOKSさんで個展をさせていただいたのが2020年の1月。

4周年記念のタイミングでした。その次が2022年の1月、6周年記念。

こうした形でお祝いできるのは幸せなことです。

 

さて、今回の展示タイトルは「猫と暮らす」

概要は下記の通りです。

 

2024年1月11日(木)〜1月29日(月)  *会期中の休み:1月16日、17日、23日

12時〜20時 *土日祝は18時半頃まで *最終日は16時まで

 

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他者とともに生きるということは、思い通りにいかないことばかり。
そんな当たり前のことを忘れかけていた私に、猫たちはそのキホンを教えてくれた。
ときに頭を抱えつつも、可笑しくて愉しくて幸せな日々。
猫たちとの暮らしのなかで生まれた新作と、
2024年カレンダー「モロッコの猫たち」の原画を展示。
猫モチーフのサンキャッチャーも。
「ゆずと月」とのコラボレーション菓子も販売予定。
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私が愛猫のタンタンとミミと一緒に暮らし始めてから5年が経ちました。
2匹への日頃の感謝の気持ちを込めつつ鋭意制作中です。
【寄付のご報告】今回の展示の売上から51,800円を日本赤十字社に寄付いたしました。国内外で起こっている様々な災害や紛争によって、困難な生活を余儀なくされている方が1人でも多く救われることを願っています。ご協力いただいた皆さまにあらためて御礼申し上げます。(2024年2月7日 追記)
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